骨盤を立てて生活する?

来院された腰痛のお客様より質問がありました。

去年来院後調子は良かったそうなのですが、最近腰の上のあたり(背中の下のあたりに)痛みがあり背中を後ろにそらそうとすると痛みが出るとのこと。

そのような痛みの原因は、大抵大腰筋(一般的には腸腰筋と記載されています)疲れている場合が多いので、『長時間座椅子やソファー、あぐらなどかいていませんでしたか?』と聞いたところ

『ああ、確かに新幹線で移動がありました』とのこと。

じゃあきっとそれですね!と原因がわかり納得して施術に掛かろうとしたら、『ところで先生、骨盤は立てて生活したほうが良いのですか?』と聞かれました。

…骨盤を立てて?

『この間買った本にそう書いてあって、気を付けて骨盤を立てるように心がけていたんです。』とのこと

確かに、椎間板症状を伴う慢性腰痛の方は、骨盤を立てて座る、立つを心がけると楽に生活ができます。
椎間板に掛かる圧力の変化で痛みが増強するので腰を丸めることで圧力が増える事が無いようにすると骨盤を立てるようになります。(骨盤ベルトが腰痛に効く理由の一つです。)

大体、骨盤を立てた座り方と寝かせた座り方では、椎間板に掛かる圧力は5~60キロの圧力の差があるからです。(立っているだけでも腰椎の椎間板に掛かる圧力は100キロと言われます。椅子に座ると150~200キロ。椎間板に掛かる重さは体重よりもはるかに大きいのです。)

ですが、椎間板が痛む様な腰痛が無い方がそこまで意識する必要があるでしょうか?

筋肉は、収縮(縮んでいる)状態が続くと、今度は緩み辛くなります。これを、生理学的には拘縮(こうしゅく)と呼びます。筋収縮の一つの状態です。重たいものを長時間持った後、離した後に手がこわばった状態になることがあります。それが、ゆわいる拘縮状態で時間とともに緩んでいきます。

つまり、一日中同じところに力を入れていたら、筋肉が疲れてしまいます。
基本的に、身体は自由に動かしておく。これが、私の考える一番筋肉とってに楽な方法だと思います。

建物でも、耐震構造(建物を補強)と免震構造(建物を揺らす)では、地震からの建物への負担は免震構造が優れていると言われています。

つまり、脊柱や骨盤を固定するより揺らしていた方が負担は少ないのです。

ためしに、足元を動かさずに立って見てください。一分もたたずに前や後ろ、右や左に身体は揺れていきます。身体は、固定されることが苦手なのです。

まとめ

1、筋肉は固定されるのが苦手。

2、骨盤や脊柱は、動かない方が負担が少ない。


もう一つ、お客さまのお話の中で気になっていたことが…『本に書いてあったのは、お尻の上側を意識してこんな感じで…』と立ってお尻を上に引き上げられました。…それは…反らしています。

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上の図を見てみてください。私がフリーハンドで書いたもので見ず辛いし、ちょっと位置関係も違うかと思いますが言いたいことは解って頂けると思うのですが。

Aが正常な骨盤と腰椎下部の側面図です。お客様のは、Bの後ろに反った状態です。
Bの方が腰椎と仙骨の後面の隙間が狭くなっていることが解ると思います。

これでは、関節の炎症や不安定な身体を支えるために筋肉が疲労して痛みを伴います。

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Cは、座った状態あるいは前に腰を曲げた状態です。これを骨盤が寝た状態だとすると、Aが立てた状態。Bは反らした状態です。

『骨盤を立てる』と言う言葉は、最近よく聞きますが定義が曖昧で仰る方によっては、Bを立った状態あるいは開いた状態、または閉まった状態と言ってるものもあります。ん~[ふらふら]

たぶん、医学用語にない整体やヨガやインストラクターの造語だと思うんですよね~

どうしても、状況を解りやすく説明するための…必要に駆られて作ったことばだと。

今までも、テレビで見た!とか雑誌に書いてあった!とかヨガやバレイで…など色んなお客様に聞くことがあったんですが、『どうゆうふうに教えられました?』と聞いてから話さないと基準が違うとごちゃごちゃになって話すがややこしくなってしまします。

ですが、大抵の場合『(本や雑誌を見てあるいは、説明を受けて)それから痛くなったのよねー』と言われた姿勢はBです。

中間位に固定するのには筋力が必要ですし、解りやすまねできるので、どうしても反らして固定してらっしゃる場合が多いようです。

テレビや本や雑誌やインストラクターが間違っている!って言っているわけではありませんよ~[わーい(嬉しい顔)]
たぶん、言葉で表現する事が難しくて説明される方、受け取る方によって違う解釈があるのだと思います。

正しい姿勢とか正しい座り方とかもよく聞きますが、前述で述べましたが固定することは身体は苦手です。
楽な姿勢、負担の少ない姿勢はありますが、疲れない姿勢、疲れない座り方はありません。

重力に逆らって動き、生きているかぎり当然ながら疲れます。

人体構造は意外と奥が深くて簡単な言葉で表現する事は難しいです。私も、お客様に説明することを大事に大切にしていきたいと思います。

何かを学んで、やってみて体が痛いときは是非ご来院ください。痛くなった理由を探して、できる限り解りやすく何が間違って解釈されていたか説明いたします。


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